「今日は正直あまり飲みたくないな……」飲み会の席で、目の前にビール瓶を持った上司が近づいてくると、そんな不安がよぎることはありませんか。
お酒が苦手な人、体調が万全でない人、車で来ている人など、飲みたくない理由は人それぞれです。しかし断り方を間違えると、その場の空気が悪くなったり「付き合いが悪い」と思われてしまったりすることもあります。
この記事では、アルハラ(アルコールハラスメント)の具体例やリスクから、LINE・電話・対面のシーン別にそのまま使えるお酒の断り方の例文、関係を良好に保つポイントまでまとめて解説します。
「断ったら気まずくなりそう」と不安に思う必要はありません。伝え方のコツさえ押さえれば、角を立てずにお酒を断ることは十分可能です。
アルハラ(アルコールハラスメント)とは?
アルハラとはアルコール(alcohol)とハラスメント(harassment)を組み合わせた言葉で、お酒に関する嫌がらせ・迷惑行為全般を指します。代表的なものは次の3つです。
飲酒・イッキ飲みの強要
周りがお酒を飲んでいると、自分も飲まなければならないと感じさせられることがあります。特に上司など断りにくい相手からの圧力は強く感じやすいものです。
🗣️相手「俺の酒が飲めないのか!」
🙂自分「すみません、今日は体調がよくないので控えさせてください」
このように強引に勧められると、余計に断りづらい空気になってしまいます。イッキ飲みの強要は急性アルコール中毒のリスクもあるため、特に危険なアルハラといえます。
飲まないことへの苦言・レッテル貼り
「飲み会なのにお酒を飲まないなんてつまらない」「お酒を飲まないと人生損してる」など、お酒を飲まない人に対して価値観を押し付けたり、勝手にレッテルを貼ったりするのもアルハラの一種です。
お酒を飲むかどうかは個人の選択であり、それを理由に人柄まで否定されるいわれはありません。
酔ってのセクハラ・暴言
自分がお酒を飲んでいても油断はできません。酔った相手からのセクハラや暴言、暴力行為も悪質なアルハラです。普段はいい人でも、酔うと抑制が効かなくなってしまう人もいます。
アルハラをしやすい人の特徴
誰もが悪気なくアルハラをしてしまうことがあります。次のようなタイプの人が近くにいる飲み会では、特に注意しておくと安心です。
- お酒が入ると人が変わったように陽気・攻撃的になる人
- 「昔は先輩に勧められたら断れなかった」など自分の経験を押し付けてくる人
- 場を盛り上げようとして必要以上にお酒を勧めてくる幹事・盛り上げ役
- 相手が断っているのに繰り返し同じお酒を勧めてくる人
該当する人が参加する飲み会だとわかっている場合は、事前にLINEなどで一言伝えておく、または離れた席を選ぶといった対策が効果的です。
相手のタイプを把握しておくだけでも、当日の心構えがしやすくなります。
アルハラを我慢するとどんなリスクがある?
「その場の空気を壊したくないから」と我慢して飲み続けてしまう人もいますが、アルハラを我慢することには次のようなリスクがあります。
- 気持ち悪くなる・吐くなど肉体的・精神的な苦痛を受ける
- 翌日の仕事のパフォーマンスが落ちる、人間関係が悪化する
- 周囲の人や関係のない他人にまで迷惑をかけてしまう
- 急性アルコール中毒や飲酒運転など、死亡事故につながる可能性がある
必要以上に飲まされると翌日の仕事に響くだけでなく、「またアルハラが行われる飲み会に誘われるかもしれない」という不安が積み重なり、飲み会自体が苦痛になってしまうこともあります。
特に飲酒運転が絡む事故は、自分だけでなく他人の命に関わる重大な問題です。飲んだ後に運転する予定がある場合は、断固として断りましょう。
「たった一杯だから」という油断が、取り返しのつかない事態につながることもあります。少しでも運転の予定があるなら、迷わず断る勇気を持ちましょう。
お酒を断りたくなる主な理由
お酒を断りたい理由は人によってさまざまです。自分に近い理由が見つかれば、そのまま断り文句のヒントとして使えます。
- 体質的にお酒が全く受け付けない、またはすぐ気分が悪くなる
- お酒は好きだが弱く、1〜2杯で十分になってしまう
- 帰りに車やバイクを運転する予定がある
- 翌日が仕事や健康診断など朝早い予定がある
- 終電を逃したくない、余計な出費をしたくない
お酒が「全く飲めない」人と「弱いけれど飲める」人とでは、断り方のニュアンスも変わってきます。無理して付き合う必要はなく、自分のペースで楽しむことが大切です。
いずれの理由も決して「わがまま」ではありません。自分の体調や予定を優先することは当然の権利です。
理由を明確にしておくことで、断るときに慌てず、自信を持って伝えられるようになります。
角が立ちやすいNGな断り方
お酒を断ること自体は決して悪いことではありませんが、伝え方によっては相手の気分を害し、余計に空気が悪くなってしまうこともあります。以下のような断り方は避けましょう。
- 無言でグラスを伏せる、目をそらすなど態度だけで示す
- 「絶対に飲みません」と頑なに全否定する言い方をする
- 相手や飲酒文化そのものを否定するような発言をする
- 曖昧なまま流して、結局断れずに飲まされてしまう
曖昧なまま流してしまうと、気づいたら次々にグラスへお酒を注がれてしまうこともあります。NGな断り方に共通するのは「理由を伝えない」「感情的になる」という点です。理由を一言添えるだけで、相手も納得しやすくなります。
逆に言えば、理由と代替案さえ添えれば、断り方に多少不器用さがあっても相手にきちんと伝わるものです。次の章で紹介する例文を参考にしてみてください。
場面別|角が立たないお酒の断り方の例文
お酒を断るタイミングは、飲み会の前と当日中の2つに大きく分けられます。ここではLINE・電話・対面の3つの場面ごとに、そのまま使える例文を紹介します。
飲み会前にLINEで伝える場合
幹事や上司にあらかじめお酒が苦手なことを伝えておくと、当日その場で断りにくい雰囲気になるのを防げます。
💬 例文
「お酒があまり得意ではないので、当日はソフトドリンク中心でいかせてください! 料理は楽しみにしています」
幹事から返信が来た場合の会話の流れは、次のようなイメージです。
🗣️相手「了解!お酒は無理しなくて大丈夫だよ」
🙂自分「ありがとうございます!ソフトドリンクでしっかり楽しみますね」
幹事や上司に電話で伝える場合
急な誘いで事前にLINEを送る時間がない場合は、電話で一言添えるだけでも印象が変わります。
💬 例文
「お誘いありがとうございます。今日は車で来ているので、お酒は控えてソフトドリンクでお願いできますか」
💬 例文
「明日は健康診断があるので、今日はお酒は控えさせてください。参加はさせていただきます」
対面|体質や体調を理由に断る場合
その場でお酒を勧められたときは、理由を簡潔に伝え、代わりの飲み物を提案するのがポイントです。
💬 例文
「お酒は大好きなんですが、お酒に対してアレルギーがあるので控えさせていただいています」
💬 例文
「すみません、実はお酒を飲むと体質的に具合が悪くなってしまうので、ウーロン茶でお願いします」
💬 例文
「ありがとうございます、でも今日はお腹いっぱいなので…また次の機会にぜひご一緒させてください」
対面|運転や翌日の予定を理由に断る場合
体質以外にも、その日の事情を理由にすると角が立ちにくくなります。
💬 例文
「お酒は好きなんですが、今日は車で来ているので運転前提でノンアルコールにしておきますね」
💬 例文
「すみません、明日は朝早くから予定があるので、今日は早めにソフトドリンクに切り替えさせてください」
対面|すでに飲んでいて、これ以上断りたい場合
最初は飲むつもりでも、途中から気持ち悪くなったり酔いが回ってきたりすることもあります。無理せず正直に伝えましょう。
💬 例文
「ちょっと気持ち悪くなってきたので、今日はこのあたりで水に切り替えさせてください」
💬 例文
「だいぶ酔いが回ってきたみたいなので、これ以上はソフトドリンクにしておきますね」
アルハラを未然に防ぐための対策
断る例文だけでなく、そもそもお酒を勧められにくくする工夫も知っておくと、当日慌てずに済みます。
飲み会前にできること
- 普段からお酒が飲めない・弱いことをさりげなくアピールしておく
- 乾杯の前に先手を打ってソフトドリンクを注文する
- どうしても不安な相手がいる飲み会は、参加自体を見直す
会社の飲み会そのものに気が進まない場合は、上司からのしつこい飲み会の誘いを断る方法も参考にしてみてください。
飲み会中にできること
- ソフトドリンクやノンアルコールドリンクとグラスをすり替える
- 口には運ぶが飲み込む量を減らし、グラスの中身は常に8割ほど残しておく
- お酒を勧めてきそうな人からさりげなく席を離れる
グラスの中身を減らしすぎると、気づかないうちに追加注文をされてしまうこともあります。少し余裕を持たせておくのがポイントです。
一次会は問題なくても、二次会への誘いを断りたいというケースも多いはずです。無理に付き合う必要はありません。
また上司と1対1で飲みに誘われる、いわゆるサシ飲みの誘いは特に断りにくく感じやすい場面なので、事前に断り方を知っておくと安心です。
自分が誘う側になったときに気をつけたいこと
幹事や先輩の立場になったときは、自分がアルハラの加害者にならないよう意識しておくことも大切です。
- 「飲めない」「飲みたくない」と言われたら、それ以上は勧めない
- ソフトドリンクやノンアルコールメニューも事前に確認しておく
- お酒を飲まない人にも料理や会話で楽しんでもらえるよう気を配る
誘う側が配慮を示すことで、参加者全員が気持ちよく飲み会を楽しめるようになります。
アルハラのない飲み会は、飲める人にとっても飲めない人にとっても居心地の良い場になります。
関係を良好に保つためのポイント
お酒を断ることと、相手との関係を大切にすることは十分に両立できます。断る際は、次のような伝え方を意識しましょう。
- 「誘ってくれてありがとうございます」と感謝の言葉を添える
- 理由はダラダラ説明せず、一言で簡潔に伝える
- 「ソフトドリンクで」「今度改めて」など代替案・次の機会を示す
- 笑顔と穏やかなトーンで伝え、深刻な雰囲気にしない
これらを意識するだけで、お酒を断ってもその後の人間関係に悪影響が出るリスクをぐっと減らせます。断りながらも会話や場の雰囲気は楽しむ姿勢を見せると、相手も気持ちよく受け入れてくれるはずです。
断ることに罪悪感を持つ必要はありません。大切なのは、相手への配慮を忘れずに、自分の意思をきちんと伝えることです。
断った後にできるフォロー
お酒を断った後の振る舞いも、実は印象を左右する大切なポイントです。
- 料理や会話には積極的に参加し、場を楽しむ姿勢を見せる
- 相手のグラスにお酌をするなど、飲めない分は別の形で気遣いを示す
- 帰り際に「今日は楽しかったです、ありがとうございました」と一言伝える
お酒を飲まなくても場を楽しんでいる様子が伝われば、「付き合いが悪い」という印象を持たれにくくなります。
断り方を選ぶ前に確認したいチェックリスト
どの例文を使うか迷ったときは、次のポイントを確認してから選ぶとスムーズです。
- 相手は上司・取引先など、特に丁寧な言い回しが必要な相手か
- 事前にLINEや電話で伝える時間があるか、当日その場で伝えるしかないか
- 車の運転や翌日の予定など、はっきりした理由があるか
- 代わりに何を飲みたいか(ソフトドリンク・ノンアルコール等)を決めているか
これらを整理しておくと、いざその場になっても慌てずに、落ち着いた言葉でお酒を断ることができます。
事前に準備しておいた例文があれば、突然お酒を勧められたときでも落ち着いて対応できます。
まとめ:お酒は無理せず、スマートに断ろう
アルハラは、飲む側にも飲まない側にも決して気持ちの良いものではありません。無理に飲んでも良いことは一つもなく、体調を崩したり事故につながったりする危険もあります。
今回紹介したLINE・電話・対面それぞれの例文や、関係を良好に保つポイントを参考に、自分に合った断り方を見つけてみてください。
あらかじめ理由を用意し、感謝の言葉を添えるだけで、お酒を断ることは決して難しいことではなくなります。
お酒を無理せず断りつつ、会話や料理を楽しんで、気持ちよく飲み会に参加していきましょう。今日から使える例文を、ぜひ次の飲み会で試してみてください。
