「株式会社◯◯の田中と申しますが、ご担当者様はいらっしゃいますか?」
電話を取った瞬間、なんとなく「あ、これ営業電話だ」と感じたことはありませんか。断ろうとしても相手は簡単には引き下がらず、対応しているうちに10分、15分と時間だけが過ぎていく。毎日何本もかかってくると、それだけで仕事の集中力が削られてしまいます。
とはいえ、無下に電話を切ったり強い口調で対応したりすると、思わぬトラブルや会社のイメージダウンにつながることもあります。この記事では、会社にかかってくる営業電話を見分けるコツと、角を立てずにきっぱり断るための例文を、電話・メールのシーン別に紹介します。
特にテレアポは平日の日中に集中してかかってくるため、電話番として対応する機会が多い人ほど疲弊しやすいのが実情です。正しい見分け方と断り方さえ知っておけば、余計なストレスを減らすことができます。
そもそもなぜ会社の営業電話はしつこいのか
断ることに気が引けてしまう人は、まず営業をかけている側の事情を知っておくと気持ちが楽になります。仕組みを理解すれば、遠慮なくきっぱり断れるようになります。
1日に何百件も電話をかけている
営業電話がしつこいのは、1日に何百件も電話をかける営業担当者が数多くいるからです。あなたが断ったところで、相手にとっては数百件のうちの1件に過ぎません。むしろ、話をだらだらと聞いた上で断られるほうが相手の時間を無駄にしてしまいます。
営業マンには成約数のノルマがある
電話をかける件数だけでなく、成約数にもノルマが課せられている場合が多くあります。押しに弱そうだと判断されると、より積極的にアプローチされてしまうため、興味がなければ思わせぶりな態度を取らず、きっぱりと意思表示することが大切です。
断られることを前提に数で勝負している
営業電話は特定の会社を狙い撃ちしているわけではなく、質より量で成約を狙う手法です。断られること自体は織り込み済みなので、罪悪感を持つ必要はありません。不要であれば、はっきりと断って問題ないのです。
会社にとって営業電話が迷惑な理由
不要な営業電話は、会社にとって単なる「面倒くさい」で済まない実害があります。断ることへの罪悪感を減らすためにも、迷惑になる理由を整理しておきましょう。
業務時間と集中力が奪われる
1件あたり数分の対応でも、積み重なれば無視できない時間になります。さらに、仕事に集中しているタイミングで不意にかかってくることが多く、作業の流れを中断させられて、元のペースを取り戻すまでに余計な時間がかかってしまいます。
重要な電話を取り逃すリスクがある
営業電話への対応にリソースを取られてしまうと、その裏で本来受けるべき取引先や顧客からの電話を逃してしまう可能性があります。営業電話への対応は、できるだけ手短に済ませることが重要です。
積み重なるとストレスの原因になる
1日1回程度であっても、毎日のように続くとじわじわとストレスが溜まっていきます。そのストレスが社内の人間関係や、他の業務のパフォーマンスにまで悪影響を及ぼすこともあるため、早めに対応方針を決めておくことが大切です。
「たかが電話」と軽視されがちですが、積み重なれば人件費や機会損失という形で会社に無視できない負担をかけています。だからこそ、不要な営業電話には毅然とした対応が求められるのです。
電話を受けた瞬間にわかる!営業電話を見分ける5つのサイン
取引先からの電話か営業電話かは、話し方や受け答えである程度見分けられます。以下のようなサインがあれば、営業電話の可能性が高いと考えてよいでしょう。
- 取り次いでほしい担当者の名前を知らない(決裁権のある役職者につなごうとする)
- 社名を名乗らず、個人名だけを名乗る
- 電話の向こうがガヤガヤしていて、コールセンターのような雰囲気がある
- 用件をはっきり言わず、質問から入って話を広げようとする
- 自社がどんなサービスを行っているか知らないまま電話をかけてきている
営業電話は、決裁権のある人物に直接話をつなぎたいと考える一方で、その人自身に個人的な用があるわけではありません。そのため名前を知らないまま「ご担当者様はいらっしゃいますか」と切り出してくるケースが多く見られます。
また、取引先であれば電話の冒頭で必ず社名を名乗るのが一般的なマナーです。社名を言わずに個人名だけを名乗る、あるいは用件を聞いても曖昧にはぐらかす場合は、営業電話だと判断してほぼ間違いありません。
🗣️相手「◯◯様はいらっしゃいますか?」
🙂自分「恐れ入りますが、貴社名とご用件をお伺いできますか?」
🗣️相手「いえ、担当の方に直接お話ししたいので…」
🙂自分「申し訳ありませんが、ご用件を伺えない場合はお取り次ぎできません」
このように、用件や社名を聞いても答えをはぐらかす相手は、営業電話である可能性が非常に高いです。無理に取り次ぐ必要はありません。判断に迷ったときほど、この確認のひと手間が後の対応をスムーズにしてくれます。
【シーン別】角が立たない営業電話の断り方と例文
ここからは、実際のシーンごとに使える断り方の例文を紹介します。電話を最初に受けたとき、担当者本人として断るとき、営業メールに返信するときの3パターンに分けて解説します。
ここからは、実際によくあるシーンを想定した具体的な例文を紹介します。状況に合わせて言い回しを調整しながら使ってみてください。
電話編①:最初に電話を受けたときの対応
取り次ぐ前に、社名・氏名・用件を確認するのが基本です。ここではっきり答えられない相手は、営業電話である可能性が高いと判断できます。
💬 例文①:取り次ぎ前に確認する
「お電話ありがとうございます。恐れ入りますが、貴社名とご担当者様のお名前、ご用件をお伺いできますでしょうか」
💬 例文②:営業電話を断って取り次がない
「誠に恐れ入りますが、弊社では営業のお電話への対応はお断りしております。ご了承くださいませ」
用件を答えられない相手には、無理に取り次ぐ必要はありません。丁寧な言葉遣いを保ちながら、はっきりと意思表示することが角を立てないポイントです。
電話編②:取り次がれた担当者本人が断るとき
用件を聞いた上で取り次がれてしまった場合は、担当者自身がはっきりと断る必要があります。理由を簡潔に添えると、相手も納得しやすくなります。
💬 例文③:現状のサービスで足りていると伝える
「ご提案いただきありがとうございます。ただ、現在利用しているサービスで十分に機能しておりますので、今回は見送らせていただきます」
🗣️営業マン「では改めてお電話しても構いませんか?」
🙂自分「申し訳ありませんが、必要になりましたらこちらからご連絡いたします」
「また連絡してもいいか」と聞かれたときに曖昧に答えると、再アプローチの余地を与えてしまいます。今後の連絡は不要であることまで、その場で明確に伝えておきましょう。
「今後の連絡は不要です」とはっきり伝えてもなお繰り返しかかってくる場合は、担当部署や上司に相談し、会社としての統一対応を決めておくと、個人の負担を減らすことができます。
メール編:営業メールへの返信で断るとき
電話だけでなく、メールで営業のアプローチを受けることも増えています。返信する場合は、感謝の言葉を添えつつ簡潔に断るのがマナーです。
💬 例文④:営業メールに返信して断る
「ご案内いただきありがとうございます。恐れ入りますが、現状のところ導入の予定はございません。またの機会がございましたらご連絡いたします」
メールは記録として残るため、電話よりも柔らかい言い回しでも意思がしっかり伝わります。返信不要な場合は無理に返さず、迷惑メールフォルダへの振り分け設定を活用するのも一つの方法です。
これはNG!やってはいけない営業電話の断り方
断り方を誤ると、かえって相手に付け入る隙を与えたり、会社のイメージを損ねたりすることがあります。以下のような対応は避けましょう。
ガチャ切りする
話を遮られて苛立つこともありますが、一方的に電話を切る「ガチャ切り」は避けましょう。会社で受けている電話である以上、相手が今後の取引先になる可能性もゼロではありません。断るときこそ丁寧な対応を心がけましょう。
怒鳴る・横柄な態度を取る
怒鳴ったり横柄な態度を取ったりすると、相手を不快にさせるだけでなく、会社全体のイメージも損なわれかねません。営業担当者も仕事として電話をかけている一人の人間ですので、敬意を持って対応しましょう。
曖昧に断る
「検討します」「また今度」といった曖昧な返答は避けましょう。相手は「まだ可能性がある」と判断し、しつこく営業をかけてくるきっかけになります。不要であれば、その場ではっきりと結論を伝えることが大切です。
話を最後まで聞いてしまう
断り切れずについ話を最後まで聞いてしまう人もいますが、話を聞く姿勢を見せると「興味を持っている」と誤解され、さらに積極的な営業を招いてしまいます。不要だと感じた時点で早めに切り上げましょう。
「今忙しい」とだけ答える
「今は忙しい」とだけ答えると、「では何時頃ならお時間よろしいですか」と聞かれ、再アプローチのチャンスを与えてしまうだけです。断るときは、時間の有無に関係なくきっぱりと意思表示しましょう。
担当者の名前や連絡先を教える
相手が担当者や代表の名前を知らない場合、教えてしまうと今後その営業担当からの電話を見抜きにくくなります。担当者本人にも迷惑がかかるため、明確な許可がない限り、名前や連絡先を教えるのは避けましょう。
共通して言えるのは、「はっきり断らないこと」がかえって相手を長引かせる原因になるという点です。曖昧な態度こそが、しつこい営業電話を招く最大の要因といえます。
良好な関係を保ちながら断るための3つのポイント
- 感謝の言葉をひと言添える:「ご連絡ありがとうございます」から始めるだけで、印象が柔らかくなります
- 理由は簡潔に、詳しく説明しすぎない:詳細な理由は反論の材料を与えてしまうことがあります
- 結論をはっきり伝える:「今回は見送ります」「今後の連絡は不要です」など、結論を濁さないことが再アプローチを防ぎます
取引先や将来の顧客になる可能性もゼロではないため、断るときも丁寧な言葉遣いを崩さないことが大切です。一方で、結論だけは曖昧にせず明確に伝えましょう。
これらのポイントを押さえておけば、営業電話に振り回されることなく、必要な業務にしっかりと時間を使えるようになります。慣れないうちは、上記の例文をそのまま使ってみてください。
頻繁にかかってくる営業電話に悩まされている場合は、着信の対応を効率化するアイテムを取り入れるのも一つの方法です。
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関連する断り方もあわせてチェック
会社にかかってくるのは営業電話だけではありません。訪問営業や電話勧誘など、シーンに応じた断り方も知っておくと安心です。
まとめ:会社の営業電話は「丁寧に、きっぱりと」対応しよう
会社にかかってくる営業電話は、社名や用件を尋ねることである程度見分けられます。断るときは感謝の言葉を添えつつ、結論だけは曖昧にせず明確に伝えることが、角を立てずにしつこい営業を防ぐ最大のポイントです。
電話・メールそれぞれのシーンで使える例文を参考に、今日からの対応に役立ててみてください。丁寧かつきっぱりとした対応を心がければ、余計な時間を取られることなく、本来の業務に集中できるはずです。
営業電話への対応は一度パターンを身につけてしまえば、それほど難しいものではありません。この記事で紹介した例文を参考に、明日からの電話対応にぜひ役立ててみてください。
